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障害年金の対象となる病気 ~腎臓病~

日本の慢性腎臓病(CKD)患者は年々増加傾向にあり、全国で1,300万人を超えると推算されています。これは、成人の約8人に1人にあたる数です。(日本腎臓病協会)
この慢性腎臓病について、障害年金請求の話を含め、詳しくお話します。

1.腎臓の病気とは

腎臓
腎不全が進行してしまうと腎臓が機能しなくなってしまうため、その役割を代行する人工透析を行う必要性が高まります。下記は腎不全を引き起こす病気例です。

1-1.糖尿病性腎症

糖尿病のある方の慢性合併症が糖尿病性腎症です。
早期の段階では無症状ですが進行すると身体の余分な水分や老廃物を尿として排泄する機能が弱まり、身体のむくみや気分が悪くなるなどの症状を引き起こす病気です。

1-2.慢性糸球体腎炎

腎臓にあり「糸球体」と呼ばれる血液から尿を作る部分が持続的に炎症を起こしている病状が慢性糸球体腎炎です。
症状としては血尿や蛋白尿を生じるものであり、持続することによって腎臓の機能が徐々に低下していってしまいます。

1-3.腎硬化症

高血圧を原因として腎臓の欠陥に動脈硬化が起こり、腎臓に障がいをもたらす疾患が腎硬化症です。
高血圧の状態が長く続くと腎臓の糸球体に血液を送る細動脈に圧力がかかり、血管の内腔が狭くなる症状を引き起こしてしまいます。

1-4.多発性のう胞腎

腎臓に嚢胞(水がたまった袋)が多々できてしまい、腎臓の動きが徐々に低下していく症状が多発性のう胞腎です。
遺伝性の病気であり、末期腎不全に進行してしまうと透析や腎移植などの治療を行わなければなりません。

1-5.急速進行性糸球体腎炎

尿を作る糸球体に高度の炎症が起こることで血尿や蛋白尿が出現し、数日から収集艦で急速に腎機能が低下する疾患を言います。
放置すると腎不全だけでなく、肺などの重要臓器の障害を引き起こす可能性のある重篤な病態です。

1-6.ネフローゼ症候群

尿に蛋白がたくさん出てしまう事で血液中の蛋白がへり、その結果むくみなどを引き起こす状態をネフローゼ症候群といいます。
いわゆる低蛋白状態になりますが、高度になると肺やお腹・心臓・陰嚢にも水がたまることがあります。

2.近年の傾向

傾向
日本での慢性腎臓病の近年の傾向は次の2つです。

2-1.腎臓病患者の増加

日本の慢性腎臓病(CKD)患者は年々増加傾向にあり、全国で1,300万人を超えると推算されています。これは、成人の約8人に1人にあたる数です。(日本腎臓病協会)
CKDの初期は、ほとんど自覚症状が無く貧血、疲労感、むくみなどの症状が現れた段階ではかなり進行している可能性があり、定期的に尿検査や血液検査を受けることが重要です。放置すると末期腎不全となり人工透析や腎移植を受ける事態が考えられます。

2-2.人工透析患者の増加

日本透析医学会の調査報告によると人工透析を受けている患者は約35万人でその数は毎年増え続けています(2020年12月末現在)。
末期腎不全は全世界的に増え続けており、“隠れ腎臓病”のうちに早期発見・治療することが重要になります。
人工透析の原因になった疾患の1位は「糖尿病腎症」(38.8%)で、2016年に透析を開始した患者の原因疾患の1位も糖尿病性腎症(43.2%)です。この「糖尿病腎症」は糖尿病の合併症のひとつで、腎臓の糸球体が細小血管障害のため硬化してその数を減じ結果として腎臓の働きが低下する症状です。
 糖尿病腎症を予防・治療するために、血糖管理が大切ですが血圧管理も欠かせません。目標は130/80mmHg未満で、通常の高血圧の治療より厳しい値になります。

3.障害年金受給にむけて

障害年金
腎疾患の障害認定基準は平成27(2015)年6月に改正されて現在に至っています。

3-1.障害年金の適用となる傷病例

・慢性腎炎
・糸球体腎炎(ネフローゼを含む)
・多発性嚢胞腎
・腎硬化症
・糖尿病性腎症
・糖尿病性網膜症
・糖尿病性壊疽(糖尿病性神経障害、糖尿病性閉鎖症)
などが挙げられます。

3-2.主要な症状(臨床所見)

・嘔吐
・悪心(嘔吐前の感覚症状)
・食欲不振、頭痛等の自覚症状
・浮腫(むくみ)
・貧血、アシードス等の他覚症状 
が見られます。

3-3.障害年金における腎疾患による障害の程度

障害の程度は下記の項目から総合に認定される
・自覚症状や他覚症状
・検査成績
・一般状態
・治療及び病状の経過
・具体的な日常生活等

ただし、人工透析療法施行中の場合には2級に該当します。
また、障害年金の受給中に腎臓移植を受けた場合は臓器が定着し、安定的に機能するまでの間を考慮して、術後1年間は従前の等級とされます。

4.障害年金をお考えのあなたに

手のひらにハートたち
腎臓病はひとたび病態が進行し、一定点を越えると治癒できる可能性は低くなり、最終的には生命維持のために人工透析などの腎代替療法が必要となる疾患です。
予防は何よりも第一です。しかし、症状が進行または透析療法を受けられるに至った場合には、国の制度である障害年金の利用を早めに考えていただくことをお勧めします。

今、あなたの症状が、現時点では障害年金の認定基準に該当しなかったとしても、初めて病院で腎臓病と診断された日がわかる診療報酬明細書(レセプト)や領収書、お薬手帳などは必ず保管しておくことをお勧めします。これらは、障害年金の請求時に必要になるものです。

腎臓病との闘病の中で、安心と生活の大きな支えとして障害年金をお考えの方は、ご連絡ください。初回のご面談、ご相談は無料です。あなたからのご連絡をお待ちしています。

参考資料 日本透析協会

透析医療の現状とこれから…日本と世界

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