今回は、聴覚の障害の状態と障害年金の等級の関係性について詳しくお話しします。
1.聴覚の障害の程度
聴力の障害の程度は、純音による聴力レベル値(純音聴力レベル値)及び語音による聴力検査値(語音明瞭度)により認定されます。
2.障害の状態と障害等級の関係
上記の表のとおりです。
2-1.聴力レベルの測定
聴力レベルは、オージオメータにより測定するものとされています。
なお、聴力障害による障害年金を受給していない場合で「1級に該当する」場合には、オージオメータによる検査結果の他に「聴性脳幹反応検査(ABR)」などの他覚的聴力検査またはそれに相当する検査結果の添付が必要となります。
なお、聴力障害による障害年金を受給していない場合で「1級に該当する」場合には、オージオメータによる検査結果の他に「聴性脳幹反応検査(ABR)」などの他覚的聴力検査またはそれに相当する検査結果の添付が必要となります。
2-2.聴力レベル値の算出
聴力レベル値は、話音声である周波数500,1000,2000ヘルツにおける純音の各デジタル値をa,b,cとして算式に当てはめて算出するとされています。
平均純音聴力レベル値 = a+2b+c /4
※上記の算式により得た値が境界値に近い場合には周波数4000ヘルツにおける純音のデシベル値をdとして、次式により算出した値を参考とされます。
平均純音聴力レベル値 = a+2b+2c+d /6
平均純音聴力レベル値 = a+2b+c /4
※上記の算式により得た値が境界値に近い場合には周波数4000ヘルツにおける純音のデシベル値をdとして、次式により算出した値を参考とされます。
平均純音聴力レベル値 = a+2b+2c+d /6
2-3.最良語音明瞭度の算出
次の式により算出した結果、語音明瞭度の最も高い値が最良語音明瞭度とされます。
・語音明瞭度 = 正答語音数/検査後数 × 100(%)
・語音明瞭度 = 正答語音数/検査後数 × 100(%)
2-4.障害が併存の場合
・聴力の障害(特に内耳の傷病による障害)と平衡機能障害が併存している場合は併合認定の取扱いとなります。
※耳の奥にある三半規管に何らかの異常が認められる場合にはめまいを生じ、そのため、聴覚、内耳に異常がある場合は平衡機能障害を起こしやすいと言われています。(メニエール病などが一例)
・先天性の聴覚障害により音声言語の表出が出来ない場合、中途聴覚障害により発音に障害が生じている場合も併合認定の対象になります。
※耳の奥にある三半規管に何らかの異常が認められる場合にはめまいを生じ、そのため、聴覚、内耳に異常がある場合は平衡機能障害を起こしやすいと言われています。(メニエール病などが一例)
・先天性の聴覚障害により音声言語の表出が出来ない場合、中途聴覚障害により発音に障害が生じている場合も併合認定の対象になります。
2-5.その他の事項
・測定にあたっては人工内耳や補聴器を使用しない状態で測定します。
・1級から3級までの両耳の聴力とされている部分は左右のそれぞれ聴力が、いずれも認定基準に掲げた数値に該当することが必要とされます。左右平均ではありません。
・等級の基準設定においては下記において同じとされています。
障害者手帳の2級 = 障害年金の1級
障害者手帳の3級 = 障害年金の2級
・1級から3級までの両耳の聴力とされている部分は左右のそれぞれ聴力が、いずれも認定基準に掲げた数値に該当することが必要とされます。左右平均ではありません。
・等級の基準設定においては下記において同じとされています。
障害者手帳の2級 = 障害年金の1級
障害者手帳の3級 = 障害年金の2級
3.まとめ
聴覚に障害のある方は、その障害から日常生活や職場においてのコミュニケーションに苦労されている方が多く、障害年金の請求手続きにおいて戸惑われる方が多いようです。そのような時は障害年金のプロである社労士はご相談されることをお勧めします。